宛先は天国ですか?



話の流れがわたしの話から璃子の話へぐるりと変わったことに、心の中でホッとした。

「で、その好きな人って誰なの?」

環奈ちゃんはもう璃子の話に興味を示していて、わたしではなく璃子を問い詰める。

璃子はスマホを取り出し電源を入れると、誰かのアカウントを開いた。

そうしてトントンとそのアカウントを指差す。


「この人」

紹介文を見る限り、わたしたちと同じ県に住んでいるわけでもない人。

つまりは遠距離か、はたまたネット恋愛というやつか。


「璃子ちゃん、これは、ネット恋愛というやつですか…っ」

璃子のスマホを見ながら、環奈ちゃんはきゃっきゃとはしゃぐ。

そんな環奈ちゃんに、「そうだねぇ」とニヤつく璃子。


「だから、暖々と同士かもしれないと思ったんだけどなぁ」

同士?と首を傾げると、そうそうと頷く。


「だって暖々も、先週初めて会ったばかりなんでしょう?

もしお手紙の人に恋してるなら、ネット恋愛みたいなものじゃない?」

だから、と付け足した璃子に、なるほどと納得する。

< 29 / 302 >

この作品をシェア

pagetop