宛先は天国ですか?
見透かしたような目で、わたしをじいっと見つめる璃子。
たった半年の付き合いなのに、こんなにも見透かされるものなんだな。
ごまかすのを諦め、肩をすくめて「そうだよ」と答える。
「…で、その相手は女?男?」
ぐいっと近付いてきた環奈ちゃんが、興味津々に尋ねてくる。
わたしは困って、小さな声で「男の人」と答える。
「おお、じゃあ恋に発展する可能性もないわけじゃないんだねぇ」
環奈ちゃんがふふっと笑う。
環奈ちゃんってば、すぐそういう方向に考えるんだから。
軽く笑って誤魔化していると、璃子がふと「そういえば、」と話を変える。
どうしたの?と首を傾げると、
「あたし、好きな人できたんだけど」
璃子がなんでもない顔でサラッとそんなことを言った。
いきなりの告白に、数秒ばかし固まる。
それから、環奈ちゃんが「はぁ?!」と声を上げた。
「環奈ちゃん声大きいよ」
璃子が耳を塞ぎ、鬱陶しそうな顔をしてそう言い返す。