宛先は天国ですか?



ほとんどわかりきっていたことなのだが、一応確認しておきたかった。

郵便局員でないなら、なぜわたしの郵便物が天国行だと知っているはずない。

だから郵便局員であることはほとんど確定なのだが、確認しておきたかった。


じぃっと見つめて答えを待っていると、将太さんはわたしから目をそらしてふっと笑みを浮かべた。

「そうですよ」

ふわりと浮かぶ優しい笑みに、わたしはまたじっと見つめた。


なんだか、目をそらしたら負けのような気がして。

目をそらしたら、尋ねる勇気も消えてしまう気がして。


「じゃあ、いつから郵便局員なんですか?」

これは、本当に“手紙の人”が将太さんなのか確認をするためだ。


わたしは今16歳で、7歳の小学校1年生の頃から手紙を送り続けている。

誰とも知らない人と文通をしていた9年間、相手が変わったことはない。

綺麗だけど癖のある、わたしの好きな字でしか手紙が返ってきていない。

だから少なくとも、9年は郵便局に勤めていないといけない。

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