宛先は天国ですか?
空いている席に座り向かい合う。
将太さんは緊張するわたしをさておいて、早速お昼ご飯を食べ始めた。
それをキョトンとして見つめていると、将太さんは不思議そうに首を傾げた。
「食べないんですか?」
ふいにそう尋ねられ、驚いてパッと目をそらす。
「た、食べますよ…」
将太さんに促され、渋々と紙をめくりハンバーガーにかぶりついた。
…わたしが、尋ねたいことがあるはずなのに、調子狂うなぁ…。
もっとスムーズに質問をしてしまう予定だったのに、将太さんの前だと緊張してしまう。
将太さんがあの手紙の人だと決まったわけではないのに、もうすでにわたしは、将太さんに恋をしていたのかもしれない。
手紙の人じゃなくて、中野 将太という人物に。
「将太さんは、」
なんとか名前を口にすると、将太さんはふとわたしを見つめた。
どうしたのと問いかけるような、真っ直ぐな目に少しだけ怯む。
だけど呼んでしまったのだから話を続けなくてはと腹をくくって、わたしはじっと将太さんを見た。
「将太さんは、郵便局員、なんですか?」