宛先は天国ですか?
ふふっと笑みを浮かべると、将太さんはふと首を傾げた。
「それにしても、いつから気付いていらしたんですか」
いきなりの問いに、わたしはぴたっと笑うのをやめて将太さんを見た。
真剣な瞳にわたしを映してふわりと笑う。
わたしはそっと目をそらしながら、恐る恐る、
「だいたい、小学校の高学年頃から…」
嘘をつかずにそう答えた。
それに対して将太さんは少しだけ驚いて、それからすごく嬉しそうな笑みを浮かべた。
ふわふわと、花が咲くような笑み。
それからゆっくりと唇で弧を描くと、
「そんなにも前から気付いていたのに、手紙を送るのをやめなかったんですね。
もしかして、返事、楽しみにしていてくださりました?」
嬉しそうに、無邪気に笑ってそんなことを言う。
完全に見透かされてしまっていて、わたしはドキッとした。
…バレてる、しかもそんな嬉しそうに笑ったりなんかして…。
嬉しそうにしてくれてるのは、わたしとしても嬉しいけれど、なんか調子が狂う。