サヨナラの行方



「死ぬことを予測していたのか?」


「そんなこと思っていません。こんなことで死ぬのは、弱い証拠です」



言いたい放題だな。

大勢の前でやった上に、周りにバラして居場所をなくしたくせに。



「そういうアンタは、弱くないのか?」


「弱くないです。だから、冬馬さんといつまでも一緒にいられますよ」



どういう意味か分からないけど、満面の笑みで言われる。

いつまでも一緒にいたくはないし、いる必要もない。



「……俺が好きなのは、悠月だけ。だから、アンタとは離婚する」


「……え?何を言っているんですか?え?り、離婚?」



はっきり言われると思っていなかったのか、あきらかに動揺している。

強気な態度がようやく崩れた。

それを見る限り、離婚なんて考えたことがなかったようだ。




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