サヨナラの行方
「私と離婚って、意味分かっていますか?常務に喧嘩売るんですか?」
「別に、喧嘩売っている訳じゃないけど。常務を裏切ってしまうことになるのは分かっている」
「じゃあ、私と一緒にいた方がいいじゃないですか」
「好きでもないヤツと一緒にいるなんて、苦痛でしかやいから」
「私と一緒にいて、苦痛な訳ないじゃないですか」
笑いながら言うけど、本当にどこからそんな自信がくるんだ。
さっきからずっと、好きじゃないって言っているのに。
「アンタのこと嫌いだって言っている。だから、一緒にはいたくない。離婚する」
そうきっぱり言えば、目に涙をためて俺を見る。
「嫌です。私は、離婚しません」
首を振りながら、必死で訴える。