サヨナラの行方
こんな表情や姿を見ても、どうとも思わない。
冷めた目で見るだけだ。
「別に、アンタが嫌だろうが離婚はする。結婚した事実さえ、抹消したい」
「……パパに言うからっ」
キッと睨み付けるように言う。
「どうぞ、ご自由に」
それで、牽制したつもりだろうか。
脅しにもならない。
常務に呼び出されようが、きちんと話すつもりだ。
俺が悪いのは分かっているから、きちんと謝罪はする。
この女にはもう、したくないけど。
そのあと、どうなるかは分からない。
でも、覚悟は決めている。
もう、悠月以外いらないから。