サヨナラの行方
「それに、社長にはどう言うのですか?さっきの話し、ご存じなのですか?」
「……社長も知りません。ですがこの際、話さなくてはいけないでしょう」
「イヤ、今回は僕の落ち度ですので、常務の話しまでする必要は……」
「いえ、全てを私の中で留めてしまっていた罰です。
亜耶乃には悪いですが、離婚に向けて話し合いましょう」
そこまでしなくても、と思ったけれど、これ以上は何も言わなかった。
何か言って撤回されても困る。
何はともあれ、社長は常務にお願いする。
俺がこれ以上何言っても変わらないから。
あとは、彼女との話し合いだけだ。
ただ、常務も言った通り、簡単に頷くとは思えない。
話し合いは長引くと思う。
だけど、俺の気持ちは変わらない。