サヨナラの行方
「……まぁ、家族がどこまで知っているかは不明ですが。
住所を教えればいいですか?」
「住所が分かる?」
「はい。調べましたから」
凄い行動力だなと感心しながら、住所を教えてもらった。
「課長が挨拶したら、私も行きます。どんな形にしろ、私だって逢いたいですから」
さばさばした感じでは言っているけど、池田も逢いたいらしい。
ここでは、唯一の信頼のおける相手だったのだろう。
「それと、私も会社を辞めます」
「は?」
「悠月の件で、常務と社長には呆れました。
確かにいけないことをした悠月が悪いですが、どんな理由にせよ、父親ならあの娘の暴挙を止めないといけなかったと思います」
池田の言っていることは正しいと思う。