サヨナラの行方
「別に。上司と腹割るってどこまでなのかと思っただけです」
その証拠に、すぐに否定した。
少しは気にしてくれてもいいのにな。
「常務にしたら娘のことだからな。気になるんだよ」
「そうなんですか……」
「とにかく、帰ろう。帰ってみれば、いろんな状況が分かるから」
それでも首を縦に振らない悠月を、辛抱強く待った。
無理に連れて帰ることは簡単に出来る。
でも、それをきたら意味はない。
今以上に嫌われることはしたくないのだから。
「今すぐに答えを出すことはない。家のこともあるだろうし、ゆっくり考えればいい。
ただ、ここにはいて欲しい。明日目が覚めたら全て夢だったんじゃないかって思わないように」
「……ここに泊まるんですか?」