サヨナラの行方
不安そうに瞳が揺れている。
不倫していた時のことを考えれば仕方のないこと。
ホテルとはいえ、ベッドが一つしかないシングル。
そんなところに一緒にいるのは不安なのだろう。
「安心して。何もしないから。
ベッドは悠月が使えばいい。俺は離れて、入り口付近にでもいるから」
「え?そんな訳には……」
「ここにいること以外、強要はしないから。
誰と連絡取ったっていいから、ここにいて」
1度帰すと、もう2度と逢えないような気がして。
2人きりでいるのは、色々ギリギリな気もするけど、こうするしかなかったんだ。
俺が我慢すればいいだけの話しだから。
「……分かりました」
なんとか、悠月はここにいることを承知してくれた。