サヨナラの行方
俺が嫌われていたのは分かる。
でも、これは究極の選択だと思う。
ここまですれば、俺にダメージは与えられる。
だけど、悠月だって圧迫されることになる。
町ぐるみで嘘をつくならまだしも、家族だけで隠し通す。
その上でその町に居続けるなら、自由はない。
自分の自由をなくしてまで守りたいモノがあったのだろうか……。
自分の中で色々考えてみるけど、答えなんて分からない。
そのことに関しては口を閉ざしてしまうから、悠月には聞けなかった。
そんな生活を続けて2週間、急に俺の携帯が鳴った。
不思議に思いつつも携帯を見ると、池田だった。
何かあったのかと思い電話に出ると、勢いよく池田の声がした。
『課長、いつ帰ってこられますか?』