サヨナラの行方
ゆっくり悠月を説得している暇はないみたいだ。
「分かった」と言って電話を切った。
その後、常務に連絡を取った。
どうやら、池田の言っていることは本当らしい。
常務も呆れていた。
「俺、戻るわ」
常務との電話を切ったあと、悠月にそう告げた。
とうとう一緒に帰るとこまでは出来なかったけど、仕方がない。
暴れだして会社に迷惑をかけているのなら、離婚が先だ。
どう考えても、このままでいると俺の得にはならないから。
「……私も一緒に帰ります」
「……え?」
思わぬ悠月の一言に、俺は驚いてしまった。