サヨナラの行方



後悔はしていない。

父親がいないのはかわいそうだけど、産んだことに関しては後悔したことはない。


でも知られてしまった今、不安が押し寄せる。

課長の想いはどうなんだろう。

私を好きだとは言ったけど、子供がいるとは思っていなかったはずだ。

勝手なことをして、重いって思われているのかもしれない。

別に、これでさっきの告白をなかったことにされてもいい。

私が1人で産んで育てると決めたのだから、責任を取れとも言わない。



「抱っこさせてもらってもいい?」


「え?」


「子供を抱っこさせて」


「え?あ……はい」



思ってもみないことを言われて、戸惑いながらも課長に子供を渡した。

こんな光景、見ることになるなんて思わなかった。

涙が出そう。




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