サヨナラの行方
そこら辺のどうでもいいヤツを相手にすると、バレる可能性は高い。
そもそも、ガキみたいにヤれれば誰でもいい訳じゃない。
不倫となろうが、人は選ぶ。
今の状況は変えられないのだから。
さて、どうするか。
「和泉課長、次の企画書をお持ちしました。
確認をお願いします」
結婚して1ヶ月以上経つ。
直属の部下なはずなのに、結婚してから初めて話した気がする。
俺を避けていたのだろうか。
イヤ、そんな訳がないか。
あれからもう、2年以上が経っているのだから、どうも思っていないか。
…………あ、この子がいたか。
「……和泉課長?」
黙り込んでいた俺に、不思議そうに首を傾げながら声をかける。