サヨナラの行方



今回はバレてはいけないことだから、自分自身でこっそり人事部で調べた。

そしたら、前より少しいい場所に住んでいた。

それだけ、収入も増えたということか。

成長しただけのことはあるな。


それに、会社からは割りと近かった。

俺の家の方向とは真逆だから、なおさら都合が良かった。


場所を把握した俺は、その日のうちにあの子のところへ行った。



「……え?い、和泉課長……?」



出てきた彼女は、俺の顔を見るなり驚きの表情になった。

それもそうだろうな。

今になって、逢いにくるとは思っていなかっただろう。

しかし、誰が来たのか確認もせず、開けるのは不用心すぎるな。



「どうして、ここが……?」



引っ越ししたのに、なぜ俺が知っているのか不思議だったらしい。




< 44 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop