サヨナラの行方
「そんなの、人事部で確認すればすぐ分かる」
「は?何でそんなことを……」
「とりあえず入れて。こんなとこ見つかったらマズイだろう?」
「イヤ、帰ればいいと思いますが」
入らせないように俺の前に立ちふさがり、強気に返す。
そんな彼女を遮って、強引に部屋に入る。
「ちょっ……ダメですって」
止めに入る彼女を振り切って、勝手に上がって行った。
「本当に、何しに来たんですか?」
盛大にため息を吐いてから、諦めたように言う。
男の俺に力ずくで勝てる訳がないから、早々に諦めたらしい。
だけど、俺がここに来た理由には全然心当たりがないらしい。
まぁ、今さらではあるよな。
しかも、分かったところで簡単に受け入れることは出来ないことだろうし。