サヨナラの行方
危ないじゃないか。
誰が見ているか、分かったもんじゃない。
「何か用事でもあったんじゃない?奥さんと歩いていたかもよ?」
「ないない。1人だった。隣を気にしている素振りもなかったもん。
だけど、なんだかご機嫌だったけど」
「ご機嫌?」
「なんか、顔がニヤけていた。いいことでもあったのかな?」
昨日は、何もなかったと思うけど。
いつものようにやってきて体を重ねて、いつものように帰って行った。
何も変わったことはなかった。
「会社から出て3時間以上も、どこで何をやっていたんだろう。服装はそのままだったから、帰った訳じゃないと思うし」
紗希ちゃん、かなり目ざとく見ている。
今では、誰も興味を持っていないのかと思ったけど、そうではないみたいだ。