サヨナラの行方



……ちょっと、さらりと言ったけど、爆弾発言すぎませんか?

好きで結婚した訳じゃないって。

本当に、常務の娘という肩書きを利用しただけなのか。

それを手に入れたおかげで、早いもので次期常務とまで囁かれるようになっている。

この人が欲しかったのは、こういうものなんだ。



「それって、大きな声して言うものじゃないですよね?」


「だから、悠月の前でしか言わない。誰の前でも結婚の話しはしない」



そんな言葉に、うっかりときめきそうになる。

まるで、私のことは信用しているって言われているようで。

イヤ、実際そう言われたけど。


でも、惑わされてはダメ。

私は、世間にバレてはいけないことをしているのだから。



「それに、この関係にだって口出しはされたくない」



そう言って、まだ裸で毛布を体に巻き付けているだけの私の肩を抱き寄せる。




< 65 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop