サヨナラの行方
だけど、この子の父親だ。
この子が全て話した上で、こうやって騒ぎを起こしているのだろう。
「亜耶乃、社長と同等の力は持っていませんし、あなたの一言で人事を動かすことなんて出来ませんよ」
「あら、どうして?私が嫌だって言えば、なんとでもなるんじゃなくて?」
「そんな子供じみたことをしたいのですか?
亜耶乃は、ここで働いている人間ではありませんよ」
優しい言葉ではあるけど、娘でも容赦はないようだ。
きっぱり言われて、娘はぐっと黙ってしまう。
今まで強気で攻めていたのに、やはり父親には勝てないのか。
そこまで甘やかされているという訳ではなさそうだ。
ひとしきり言い終えたあと、常務が私を見る。
その表情は、おそろしく冷たい。
あまり常務と話したことはないけど、こんな表情は初めて見る。
「さて、澤村さん。亜耶乃から聞きましたよね?」