サヨナラの行方
さっきまでのトーンとあきらかに違う。
すごく怖い。
全身が凍りついて、手足も動かない。
声だって出ない。
頷くことさえも出来ない。
「どういうつもりですか?和泉くんは、亜耶乃の夫ですよ
?」
そんなこと、分かっています。
美人だと噂では聞いていたけど、ここまでの美人だとは思わなかった。
けど、常務の娘の相手だということも分かっています。
それでも私は、拒むことなんて出来なかった。
不倫だろうが、なんだろうが、好きな気持ちに嘘はつけない。
でも、私から関係を迫った訳ではない。
全ては彼からだけど、この状況ではそんなこと言える訳がない。
そんなことどころか、何も口を挟める雰囲気ではない。
しかも、この人たちの中では、確実に私が悪いとなっている。
今更、何を言っても変わらない。