サヨナラの行方
「否定も肯定もしないのですか?」
否定したところで、この人たちの中では決定事項なんだ。
だから、何も言えない。
だけど、これだけ大勢の中で言われているのにも関わらず、彼は一言も話さない。
なぜだろう。
少なくとも、この状況は彼にも不利なだけだと思うけど。
やっぱり、口裏を合わせているのだろうか。
「否定なんて出来ないわよ。これだけ証拠がそろっているもの」
嘲笑うかのように、娘が口を挟んだ。
やっぱり、父親以外だと強気に出るんだ。
これだけの証拠と言っても、家に出入りしているだけの証拠だ。
家で何をしているかの証拠はない。
まぁ、これだけ大人になれば、男女2人きりが家でやっていることなんてすぐに分かる。
それ以外のことなんて思い付かない。