サヨナラの行方



「否定も肯定もしないのですか?」



否定したところで、この人たちの中では決定事項なんだ。

だから、何も言えない。


だけど、これだけ大勢の中で言われているのにも関わらず、彼は一言も話さない。

なぜだろう。

少なくとも、この状況は彼にも不利なだけだと思うけど。

やっぱり、口裏を合わせているのだろうか。



「否定なんて出来ないわよ。これだけ証拠がそろっているもの」



嘲笑うかのように、娘が口を挟んだ。

やっぱり、父親以外だと強気に出るんだ。

これだけの証拠と言っても、家に出入りしているだけの証拠だ。

家で何をしているかの証拠はない。

まぁ、これだけ大人になれば、男女2人きりが家でやっていることなんてすぐに分かる。

それ以外のことなんて思い付かない。




< 82 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop