最後の瞬間まで、きみと笑っていたいから。

するとうつむいたままの多賀宮くんがふっと顔を上げて、私を見て、軽く手を上げる。

そして笑った。


ほら、なんともない。


私はホッとして彼の元に駆け寄り、ベンチの隣に腰を下ろした。


「お水とオレンジジュース買ってきたけど、どっちがいい?」

「水でいい。悪いな。ちょっとばかりチョーシにのりました」


多賀宮くんは苦笑して、私が差し出したペットボトルを受け取りキャップをひねる。


「ん……なんか固い。よし、怪力なお前に任せた」

「誰が怪力よ、失礼な!」


受け取って、キャップをひねると、確かにちょっと固かった。


外国のペットボトルって国産と違ってつくりが甘いから、そういうのあるよね。


「はいどうぞ」

「さんきゅ」


多賀宮くんは水をひとくち飲んで、ふうっとため息をついた。
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