王太子様は無自覚!?溺愛症候群なんです
こうしてふたりの結婚式は盛大な祝福を受け、後にナバ王国の長い歴史の中でも特別に愛された国王夫妻になったという。
それはきっと政略結婚で出会ったふたりが、この国の峡谷に伝わる火竜と妖精のような、世界で一番の恋をしていたからだ。
人々は王子様とお姫様のおとぎ話に似た恋を語り継ぎ、その上に自分もいつか世界で一番に愛する人を見つける日のことを夢に見た。
国民が特に気に入りのいくつかのエピソードの中に、このようなものがある。
結婚式の日の夜、舞踏会を抜け出した王子が、姫君にこう言った。
「俺はもう何日も、気の済むままにお前に触れられていない。なぜ俺は俺の姫君に、思う存分キスができないのだ。このままふたりでどこかへ行ってしまおう。側近は文句を言うかもしれないが構わない。お前はもう、俺のものになってくれるのだろう?」
姫君は彼女を腕に抱く王子を見つめ、幸せそうに返した。
「どうぞ、殿下のお気に召すままに!」
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As my prince like it.


