王太子様は無自覚!?溺愛症候群なんです
彼女をひと目見たときから心を奪われていたのは、エドワードのほうだった。
国のためだけにする結婚だと思っていたのに、いつの間にかラナなしではいられないのは彼であって、なによりも彼女の愛を独占したいエドワードのためにこの結婚があるのではないかと思ってしまう。
エドワードはラナを強く抱きしめてそのまま無茶苦茶にキスをしてしまえば彼がどれほど花嫁に惚れているか少しは伝わるだろうと思ったが、そうしようとした瞬間にライアンが部屋のドアを叩いて入ってきたので、中断せざるをえなかった。
「お時間です。お戯れは夜までお待ちください」
出来のいい側近に連れられ、王太子夫妻は国民の待つ広場を見下ろせるバルコニーへと向かう。
エドワードの腕に手をかけたラナが、隣を歩く彼を見上げて小声で囁いた。
「それなら、これは言いましたか? エドワード様のことを、とてもお慕いしていますって」
「それは聞いたな。しかし何度聞いても十分ではないと思う」
「そうですね。では思い出したときに言うことにします。あなたのことを愛していると」
「名案だ。それならいつもそう思っている俺は、生涯をかけてお前に囁き続けなければならないな。どんなときでも、ラナを世界中の誰より一番に愛していると」
ライアンはこの囁き声に気づいてはいたが、振り返らないことにした。
ふたりは誰よりも先に、互いにこれを誓い合う。
エドワードが背の高い腰を屈め、ラナのバラ色の唇にそっとキスをした。
「こういうのはどうだ。俺たちはこの先永遠に、互いを愛し合っていることにしよう」