クールな公爵様のゆゆしき恋情
「アレクお兄様、お言葉ですがレオンの質問は私も是非お聞きしたい事ですので、ご命令には従えません」

エステルは何か企んでそうな悪い笑顔で答えます。
なんだかエステルがお兄様に似てきた様な気がします。

「アレク。エステルもこう言ってる訳だし、勿体ぶらないで白状しろよ。ラウラと例の店に行ったのか?」

「そんな事、お前達には関係ないだろ?」
「大有りだろ? ラウラは俺の可愛い妹だからな」
「私にとっては大切な親友ですから、十分関係が有りますが」

「! お前達……もういい!」

アレクセイ様はお兄様とエステルに何か言い返そうとした様子でしたが、口では勝てないと察したのか、私の手を取り言いました。

「ラウラ。主役への挨拶も終わったし、向こうへ行こう」

「え……でもお兄様とエステルの質問に答えなくて良いのですか?」

「いい。いくぞ」

アレクセイ様は強引に私の手を引き、広間中央に向かいます。

エステル達を振り返ると、二人共怪しい位の満面の笑顔で、私達に手を振っていました。
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