クールな公爵様のゆゆしき恋情
アレクセイ様は私との関係を新たにやり直すと決意してアンテスに来たそうです。

問題の手紙を持っていたのは、過去の態度の説明をする時のために、証拠として私に見せようと考えていた為だそうです。

ただ実際は、なかなか言い出せなかったそうです。

「自分より強く、いつもラウラと一緒にいられるリュシオンに嫉妬してました。イライラしてラウラに八つ当たりしてしまいました。ラウラに当てつける為に他の女には優しい声をかけました。俺に嫉妬して欲しかったからです……なんて、情けなくて簡単に言える訳ないだろ?」

もう開き直っていたのか、ルーカス様の事を話してくれた時のアレクセイ様は、それは流暢にそう語っていましたが。



そう言う訳で、私を長年悩ませていた手紙の正体は判明しました。

ルーカス様への怒りはありません。

アレクセイ様の事で苦しんでいた時に知ったら、許せなかったかもしれませんが、今となってはルーカス様も弱かったのだと客観的に見る事が出来ました。

すれ違ってばかりで辛い思いはしたけれど、今はアレクセイ様と寄り添っていられるのです。

私はとても幸せです。
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