クールな公爵様のゆゆしき恋情
どれだけここに居たのでしょうか。
アレクセイ様のおっしゃる通り、早く帰らなくては城の皆が心配してしまいます。
私達は足早に北の広場を出て、迎えの馬車が待っている城下街の外れへと向かいました。
途中、華やかなアトレゼ通りが視界に入り、私はアレクセイ様に頭を下げました。
「私のせいでアトレゼ通りへ行けませんでした。申し訳ありません」
「気にするな。アトレゼ通りは今日でなくても行けるだろ?」
「でも、お買い物が有ったのですよね? よろしかったら目当てのお店の店主をアンテス城に呼ぶ手配をしますが」
「いや、いい。それより早く帰ろう。ラウラも疲れているだろう?」
アレクセイ様はそう言うと私から視線を逸らし前を向いてしまいました。
その横顔こそ、疲れている様に見えました。当然ですよね、アレクセイ様にとっては期待外れの外出になってしまったのですから。
アレクセイ様は本当に私と結婚して幸せになれると思っているのでしょうか。
私達の間にはもうやり直せない程深い溝が有る様に感じるのは私だけなのでしょうか。
無言で歩き続けていると、迎えの馬車が見えて来ました。帰りの遅い私達を心配したのか、数人の騎士達もお城から迎えに来たようです。
「ラウラ様、公爵閣下、ご無事でしたか」
「二人共無事だ」
駆け寄って来る騎士達に、アレクセイ様が答えます。
「ごめんなさい遅くなってしまって」
私も心配をかけてしまった騎士達に謝ります。北の広場からアンテス城側の街の外れは正反対で、かなり距離が有るのです。随分時間がかかってしまいました。
夕日がすっかり沈み、辺りは月明かりと街灯の明かりだけが頼りになっていました。
アレクセイ様の手を借りて馬車に乗り込んだ時、気が付きました。
無言で歩いて来たけれど、アレクセイ様はずっと私の歩く速度に合わせてくれていたんだと。
アレクセイ様のおっしゃる通り、早く帰らなくては城の皆が心配してしまいます。
私達は足早に北の広場を出て、迎えの馬車が待っている城下街の外れへと向かいました。
途中、華やかなアトレゼ通りが視界に入り、私はアレクセイ様に頭を下げました。
「私のせいでアトレゼ通りへ行けませんでした。申し訳ありません」
「気にするな。アトレゼ通りは今日でなくても行けるだろ?」
「でも、お買い物が有ったのですよね? よろしかったら目当てのお店の店主をアンテス城に呼ぶ手配をしますが」
「いや、いい。それより早く帰ろう。ラウラも疲れているだろう?」
アレクセイ様はそう言うと私から視線を逸らし前を向いてしまいました。
その横顔こそ、疲れている様に見えました。当然ですよね、アレクセイ様にとっては期待外れの外出になってしまったのですから。
アレクセイ様は本当に私と結婚して幸せになれると思っているのでしょうか。
私達の間にはもうやり直せない程深い溝が有る様に感じるのは私だけなのでしょうか。
無言で歩き続けていると、迎えの馬車が見えて来ました。帰りの遅い私達を心配したのか、数人の騎士達もお城から迎えに来たようです。
「ラウラ様、公爵閣下、ご無事でしたか」
「二人共無事だ」
駆け寄って来る騎士達に、アレクセイ様が答えます。
「ごめんなさい遅くなってしまって」
私も心配をかけてしまった騎士達に謝ります。北の広場からアンテス城側の街の外れは正反対で、かなり距離が有るのです。随分時間がかかってしまいました。
夕日がすっかり沈み、辺りは月明かりと街灯の明かりだけが頼りになっていました。
アレクセイ様の手を借りて馬車に乗り込んだ時、気が付きました。
無言で歩いて来たけれど、アレクセイ様はずっと私の歩く速度に合わせてくれていたんだと。