エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜
質問が、また最初の部分に戻ってきた。
将来の夢?
私の……希望?
一度目と同じで、何を聞かれているのかよくわからない。
「具体的なものでなくてもいいよ。何が好きとか、そういうのでいい。
マジュなんか、スイーツバイキングに行った次の日にはパティシエになりたいと言ったり、ファッションショーを見た日にはデザイナーを目指すと言ったりして、三日もたてば興味を失っていたけどね。はは」
ハルヒコ様が冗談めかして笑っている。
でも、私は笑えなかった。
「あの……」と声をしぼり出す。
「私の希望は……旦那様のお役にたつことです」
ハルヒコ様が笑うのをやめて、驚いたように私を見た。
「私は旦那様に所有される<グリーン>です。
公の場でも、プライベートでも、旦那様のお役にたつこと……それが私の役目です。
ですから、そのために必要な勉強なら、すべてするつもりでいます……」