エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜
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「リイナ、カラーコンタクトレンズを作る気はないかい?」
ミュージアムを出たところで、思いついたようにハルヒコ様が言った。
「カラーコンタクト?」
「うん。リイナは周りからの視線を感じなかった?
君の緑色の瞳を見て、<グリーン>だと気付いて珍しげにジロジロ見てくる人が結構いただろう。
前に仕事で知り合った<リーフ>の女性が、街を歩くような時は他人の視線がわずらわしいから、カラーコンタクトで目の色を隠してると言ってたのを思い出してね」
視線……確かに気になる時もあったけど、一般の人たちが<グリーン>を珍しく感じるのは当たり前だと思って受け流していた。