エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜

それに、この目の色は<グリーン>のあかし。

能力と同じで、私の価値を示すものだと思っていたから、隠すなんて考えたこともなかったし、主人からそんな提案をされるとも思わなかった。

つまりハルヒコ様は、私を「見せびらかして」歩きたいわけじゃないってことだ。

「でも、目の色は隠せても君のかわいらしさまでは隠しようがないから、結局リイナが周囲の視線を奪ってしまうのは変わらないかな」

はは、とハルヒコ様が笑う。

(容姿だけを言ったら、私よりもハルヒコ様のほうがずっと人目を引いてると思うけど……)

今すれ違った女性の二人連れが彼を振り返って熱い視線を注ぐのを横目で見ながら、私は心の中でつぶやく。

「イヤじゃなければ、これから作りにいかないかい?」

「はい……でも私、コンタクトレンズなんて使ったことがないです」

「大丈夫、そんなに怖いものじゃないよ。
リイナには何色が似合うかな。元の瞳の色は何色だったの?」
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