溺愛〜ラビリンス〜


ユズ姫にはナイトの様に側にいる二人の王子がいる。


翔真は二人の事を良く思っていない様だか、この二人の王子はチームにとっても厄介で手強い存在だ。

白、黒二人の王子がユズ姫にチョッカイを出すせいで、ユズ姫に対する女子からの口撃や嫌がらせがあり、チームは女達を蹴散らす事が仕事の様になってしまった。

なんとか王子達を排除できないかと画策したが、アイツ等も本気らしく現在までユズ姫の近くにいる男として、翔真の次に王子達が存在している。

そして今日の騒ぎ。
俺と初めて一緒に登校したユズ姫は、緊張しているのか車中でも静かでうつむいた状態で車からおり、校門へと進む。すぐ女達の騒がしい声が聞こえて来た。

俺は眉間にシワを寄せ騒がしい方向を見た。


騒ぎの原因は白王子だった。爽やかな笑顔を女達に振り撒き挨拶する鷹宮淳稀にうんざりしながら、何事もなくユズ姫を教室へ送り届ける事に集中する。



校庭を進んで玄関にたどり着い辺りで、いつの間にか忌々しい鷹宮淳稀が近くまで来ていた。


「おはよう。柚ちゃん。」


「おはよう。あつくん。」





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