溺愛〜ラビリンス〜
「…柚と二人で乗りたかったんだよ。」
これは本当だ。柚と二人きり、誰にも邪魔されず景色を楽しんでみたかった。そして柚には言わないが、絶叫系はやはり苦手だからこういうゆったりした乗り物が良かった。
二人きりの空間は少し落ち着かない気持ちにさせたが、嫌ではなかった。
むしろ心地良く時間を刻み穏やかな気分にさせる。
「翔兄ぃ…」
俺の気持ちを理解したのか、柚はまっすぐ俺を見つめている。
「柚が元気になって笑った顔が見れて嬉しいんだ。お前とこうして笑顔で話しがまたできる…何でもない事だけど、俺が一番望んでいる事だ。」
「翔兄ぃ…ありがとう。迷惑かけてばかりでゴメンなさい。」
柚の目が潤んでいた。柚はどんな顔をしても可愛いな…と思いながら、フォローをする事も忘れない。
「柚に迷惑なんかかけられた事ないぞ?そんな風に考えて俺に遠慮するな。」
「うん…」
柚の頭をポンポンとしながら言ってやると、上目使いで返事をしてくる。柚は本当に可愛い。
「柚…今までジェットコースターなんか乗った事ない筈なのに好きだったのか?」
俺はここに来てからずっと思っていた事を聞いた。