溺愛〜ラビリンス〜
「えっ?ケガなんかしないよ。遊園地なんて危なくないし。」
危なくない所でも天然のお前は何するか分かんねぇから、俺もおそらく翔真も回りみんなが気が気じゃねぇんだよ!
「ケガしてねぇならいい…」
「フフッ、相変わらず心配症だね?ゆうくんは。でも心配してくれてありがとう。」
そんな会話をしているうちに柚の教室に着いた。
「柚さっきの話し約束だぞ?」
「うん!じゃ、ゆうくんまたね。」
柚は手を振り教室に入って行った。
柚と別れ、自分の教室に入る。
「悠斗、お姫様と二人の時間を楽しめた?」
教室に入ると待ち構えたようにニヤニヤしながら聞いてくる大輝。
「チッ。うるせぇ。」
一言言って席に座る。教室はクラスの半分以上が登校していてかなり賑やかで、それを横目に見ながらさっきの柚との会話を思い出して表情が緩む。
最近の柚は、以前と変わりない明るさが戻り、天然ぷりも復活している。まぁそれが柚の個性であり惚れた欲目かもしれないが、可愛いと思ってしまう所でもある。