溺愛〜ラビリンス〜
「…じゃあ行って来るわ。私が戻ったら、次は柚が家に帰って休みなさいね?」
「うん。翔兄ぃに何かあったらすぐ連絡するからね。」
「えぇ…お願いね?」
お母さんはそう言いながらも、後ろ髪引かれるような、心配そうな表情で帰って行った。
「フーッ…」
一人になって急に不安な気持ちになる。同時に翔兄ぃの怪我が私の所為だという思いが膨れ上がり、翔兄ぃに対して罪悪感で胸が苦しくなる。
「ウッ…ッツ…フッ、フッ…ッツ…」
俯いて声を殺して、周りに気付かれないように泣いた。お母さんと一緒の時は、我慢していたし、気も張っていたけど…もう無理だった。
翔兄ぃ…ごめんなさい。私がどんな罰でも受けるから、早く目を覚まして。元気になって、いつもみたいに柚って私の事を呼んでよ…
「ウッ、ウッ…ッツ…」
「柚ちゃん?」
突然声をかけられ、驚きながら振り向くとそこには、渉くんと爽くんが立っていた。
泣き顔を見られてしまい、どうして良いのか分からなくて、呆然としていると、渉くんが近づいて来て私の肩を抱きしめた。