溺愛〜ラビリンス〜

「渉くん…」


私の目から涙が溢れる。


「ごめんね?こんな事、当事者の問題で俺達が口出しすべき事じゃないけど…柚ちゃんはうちの姫だし、翔真はチームを統べる総長だから、これから先柚ちゃんと翔真がどうするのかは、チームにも関わる事なんだ。」


「渉くん…分かってるよ。私の立場も、渉くん達が聞かなきゃならない立場なのも…こっちこそごめんなさい。」


「…俺的にはさ、チーム云々は別にしても、この件は気になるんだよ。翔真はガキの頃からの親友だし、柚ちゃんも同じ位長く見てきた可愛い妹みたいな大事な存在だ。勿論、悠斗も幼馴染みだからみんな身内的な人だから…心配だし、不幸になってほしくないんだ…」


渉くんは辛そうな表情をしてそう言った。渉くんは多分、私達に近すぎるんだ…長い付き合いでずっと傍で見てきたから他人事と思えないんだろう。
翔兄ぃが事故に遭って、私の行方が分からなくて…一体どんな気持ちで昨日はいたのか考えると、申し訳なくなる。


「渉くん…」


「柚ちゃんは決めたんだよね?それとも…まだ翔真と悠斗の間で気持ちが揺れてる?」


渉くんは真面目な顔をしていて、真剣に聞いているのが分かる。




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