ツンデレ社長の甘い求愛
よかった、バイトの子とはほとんど顔を合わせなかったし、店長も忙しそうに動き回っている。

おまけに席は目立たない端っこだし、これなら気づかれるリスクは低いだろう。

早速メニュー表を手にすると、ボソリと社長が呟いた。


「マイナス十点だな」

「え、なんですか急に」

なにを注文しようか吟味している私を余所に、社長は店内の様子をくまなく見ながら言った。

「さっきの店員の接客だ。数時間とはいえ、ヘルプで入っておきながら、なにがダメかわからないのか?」

周囲を見回していた視線は私に向けられ、途端にバカにしたように笑われてしまった。

「そんなわけないじゃないですか!」

悔しくて負けじと言い返すけれど、すぐにはさっきの接客のダメなところが出てこない。

あの子、言葉遣いも態度も問題なかった。

笑顔も素敵だったし! ……あれ、でも待って。

「コンセプト、商品の説明がされなかった……?」
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