ツンデレ社長の甘い求愛
「うぅーん、今日のおかずはどっちにしようかな」

仕事終わりのデパ地下で値引きになっているおかずを吟味する。

なるべく自炊するようには心がけているけれど、仕事でクタクタの身体を引きずってまで料理しようとは思えない。

女子力がつくづく低いと思う自分……。


女子力が高ければ、こうなることを見越して作り置きをしておくとか、手軽に自炊できるメニューがあったりするのだろうけど、私には皆無だ。

こういうときはデパ地下を利用させてもらっている。

今のお惣菜のクオリティは高いし、むしろ自炊するより材料費や光熱費を考えると、買っちゃったほうが安いときもある。

おかずのパックを両手に持ち、悩みに悩んでいると背後からポンと肩を叩かれた。

「わっ!?」

思わず肩を震わせ驚いてしまうと、すぐに「悪い」と謝罪の声が。

振り返ると申し訳なさそうに背後に立っていたのは、同期の仙田くんだった。

「仙田くん!」

「まさかそこまで驚くとは思わず……」

「ごめん」と顔の前で手を合わせる彼に、クスリと笑ってしまった。
< 119 / 347 >

この作品をシェア

pagetop