ツンデレ社長の甘い求愛
どうして山本さんは私の気持ちをすぐに汲み取ってくれるのかな?

私が欲しい言葉をくれるのだろう。

「そろそろ家に戻りましょうか。明日もお仕事ですよね?」

「あ、はい。山本さんもですよね?」

「えぇ、明日は出張で日帰りで大阪まで行かなくてはいけなくて」

「それは大変じゃないですか!」


思わず大きな声を出してしまうと、山本さんはびっくりし固まってしまったものの、すぐに口元を緩めた。

「そうですね、大変ですよね。俺こそ早く帰って寝なくてはいけません」

そして口元を押さえて笑う彼に、胸の高鳴りは増していく。

ボサボサの前髪のせいで顔がよく見えないのにな。

妙な大人の男の色気を感じてしまうのはなぜだろうか。

猫背で笑う姿が、妙にグッとくる。

「今週末、また時間が合えば散歩ご一緒してもよろしいですか?」

「もちろんです! カイくんも喜びます」

〝そして私も〟と心の中で囁いた。
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