ツンデレ社長の甘い求愛
「えっと……あっ! 浅野さんに聞きまして!」

「浅野に?」

「はい、そうです!」


まるっきりの嘘だけど、ここは突き通すしかない!

平静を装っていると、社長は少し考えた後「そうか」と呟いた。

どうにか誤魔化せただろうか?


だめだ、長居すればするほどボロが出そうで怖い。ここはさっさと退散させていただこう。

「失礼します」

軽く会釈をしながら玄関へと向かっていくと、すかさず社長とラブちゃんが後を追い掛けてきた。


「馬場、待て。今タクシーを呼んでやるから」

「そんなっ……! 大丈夫です」

ギョッとし、立ち止まって振り返り首と手を左右に振る。


それ以前に私の家は隣ですから。

けれどそれを知る由もない社長は眉を下げた。


「バカ、歩いて帰らせるわけにはいかないだろ? いくら朝方とはいえ、なにかあったら大変だし」

え、心配してくれているの? だって今は朝だよ?
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