ツンデレ社長の甘い求愛
そもそもよく今まで隣に住んでいてバレなかったよね。

平日は私も社長も普通に出勤していたし。

偶然家を出たときに、鉢合わせしていた可能性もあったはず。


上手くタイミングが合わず、出勤時も帰宅時も会わなかっただけかもしれないけれど……今後は気を付けないと。

今日はとりあえず社長はすぐに出勤するって言っていたから、鉢合わせすることはないだろう。


シャワーの蛇口をしめ脱衣所で着替えていく。

髪を乾かした後、念入りにメイクを施していく。


「近いうち、ちゃんと話さないとね……」

自分の顔を見つめたまま、ポツリと漏れた声。

そうだ、早く社長に本当のことを言わないと。

最初から知っていて騙していたわけではないとはいえ、知ってしまった以上、早く伝えないと。

時間が経てば経つほど、話しずらくなってしまいそうだし。


でも伝えるなら出会ったときのように、〝山本さんと長日部さん〟の姿で言いたいな。


そうなると今週末……?

散歩は毎日欠かせないし、うまくタイミングを見て偶然を装って。

そこで話そう。

社長に最初から今までのことを全て――。


そう心に誓いながら身支度を整え、家を後にした。
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