ツンデレ社長の甘い求愛
そして迎えた翌日。

予感は見事に的中し、出社するとすぐに感じたのは突き刺さるような視線。それと……。


「嘘、出勤してきているけど。どれだけ神経図太いんだろうね」

「あんな写真を社内中に送られたら、私だったら無理」

「社長も騙されていたんだよ、きっと。でなければおかしいじゃない。あんなブスと付き合うとか」


私に聞こえるようにわざと声を張り上げて言われる罵声。


「そりゃ彼女だったら、社長に対して強気でいられるよな」

「仕事も贔屓があったんじゃねぇの? 聞いたら彼女の企画、よく通っているらしいし」

「マジかよ、最悪」


女性社員だけではなく、男性社員にも陰口を叩かれてしまう始末。

けれど決して下は向かない。

だって私、下を向いちゃうようなやましいことなんて、なにひとつしていないもの。


ただ社長のことが好きなだけ。

仕事だっていつも全力で挑んできただけだ。

決して贔屓などあったわけがない。むしろその頃の私は、社長のことを好きどころか嫌いだったし。


それなのに俯いていたらダメだよね。堂々としていないと。

そうしないと由美ちゃんが言っていた通り、犯人の思うツボだもの。


気にしていないように装いながらオフィスへと向かっていった。
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