ツンデレ社長の甘い求愛
「パスタ、すごく楽しみ。もちろん松島主任の奢りですよね?」

「……えっ!?」

ギョッとする松島主任に、亜美ちゃんも私に続いた。


「そうですよ、この中で一番年上は松島主任じゃないですか。ここは主任が奢るべきだとおもいます」

「えぇ、そんなぁ~」


情けない声を出す主任に、笑ってしまった。


他愛ない話をしながらエレベーターで一階まで下りて行き、相変わらず注目を浴びながらエントランスを抜けてい
く。

そのときだった。


「うわ、さすが馬場。あんなメール如きじゃやっぱめげねぇよな」


私たちの行く手を阻むように立ちはだかったのは、同期で営業部の佐久間くんと仙田くん。そして同じ同期の計三人だった。


どうして佐久間くんたちと一緒に仙田くんが?


それになぜか仙田くんは気まずそうに後ろに立ち、視線を落としている。


「ちょっと君たち、一体なに?」

いつになく厳しい口調で先輩らしく佐久間くんたちに注意する松島主任。

けれど全く聞く耳持たず、佐久間くんは顎を突きあげ、私を見下ろしてきた。


「しかし驚いたよな、まさか馬場の素顔があんなブスだったとか。それなのに社長も可哀想に。騙されていたんだから」


昼休み、エントランスにいる社員達に聞こえるようにわざと声を張り上げる佐久間君の話に、みんな何事かと足を止め始めた。

一気に注目の的に陥ってしまう。
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