ツンデレ社長の甘い求愛
なにやっているんだろうか、俺は。

かすみを泣かせたいわけじゃない。ただ、心配なだけなのに。

けれどそんな心情を説明している余裕もなく、急いでバスルームに飛び込み、冷たいシャワーをかすみの足に当てた。


「冷たっ……」

「少し我慢しろ」

途端にかすみは顔をしかめるも、やけどには冷やすのが一番だ。

しばらくの間シャワーを当てていると、彼女は涙を拭いポツリと呟いた。


「ごめんなさい、余計な面倒を掛けてしまって」

「なに言ってるんだよ、面倒なわけないだろ? 謝るな」

「でも……洋服も濡らしてしまったし」


申し訳なさそうに呟くかすみに、なんともいえない気持ちが込み上げてくる。

「そんなこと気にするな。……大丈夫そうでよかった」

赤くなっているものの、そこまで酷いやけどではなさそうで、ホッと胸を撫で下ろした。

「待ってろ、今タオル持ってくるから」

「すみません、脱衣所の棚に入っていますので」

「了解」
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