ツンデレ社長の甘い求愛
リビングのドアを開けると、カイくんは一目散に玄関へと向かっていく。

カイくんの後を追うものの、ふと思い留まる。

そういえば今の私の姿、完全寝起きバージョン。

このまま初対面の人に会うべきではないのでは……?

せっ、せめて寝癖は直すべきだよね?


回れ右をし、手グシで整えながら洗面所に向かおうと一歩踏み出したけれど、早く開けてと言わんばかりに、前足で扉をガシガシし吠えるカイくんに足は止まってしまう。


おまけに向こうのわんちゃんも早くカイくんに会いたいようで、ドア越しに吠えている。

「えぇい! どうにでもなれ!!」

所詮はお隣さん。

ただ挨拶に来ただけだろうし、どんな格好でもいいよね!

やけくそで寝起きの格好のまま玄関のドアを開けた。


「すみません、お待たせしまし……たっ!?」

「ワンッ!!」

玄関を開けると同時に私に飛びついてきたのは、カイくんと同じラブラドールレトリバー。

勢いそのままに後ろに尻餅をついてしまった。

「こら、ラブッ!」
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