ツンデレ社長の甘い求愛
身長は高そうだけど、猫背なのか全体的にだらしなく見えてしまう風貌。

黒縁眼鏡に顔がよく見えないボサボサ髪。

おまけに上下ジャージ姿。

年齢は……私と同じくらいだろうか?


そしてなぜだろう。妙に親近感を抱いてしまうのは。

山本さんから私と同じ匂いが、ぷんぷんする気がするのですが。

呑気に分析していると山本さんは急にしゃがみ込んだ。


「そしてこの子はラブです。えっと……長日部さんのところもラブラドールですよね?」

「――え? 長日部さん?」

急に由美ちゃんの名字で呼ばれマヌケな返事をしてしまうと、山本さんはラブちゃんの頭を撫でながら首を傾げた。


「……長日部さんですよね?」

表札を指差されて納得。

そうだ、ここは由美ちゃん名義のマンションの一室。

表札も『長日部』のままだった。

咄嗟に違いますと否定しようと思ったけれど、思い留まる。


別に隣に住んでいるってだけで、今後深く付き合っていくわけではないし、わざわざ自分の個人情報をバラす必要もないかもしれないと。
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