ツンデレ社長の甘い求愛
社長と会うのはあの日以来だというのに、今は全くときめかないし。
ただ苛々するだけだもの。


「それは失礼しました。しかし私が言いたいのは、どうして私もこうして社長と御一緒に列に並ばされているかということです」

負けじとこちらも言葉に棘を生やし丁寧に窺うものの、社長は一切こちらを見ることなく答えた。


「男がひとりで列に並んで入店したら、目立つと思わないか? 時間が空いて来たものの、どうしようかと思っていたところに、たまたま馬場がいた。だから連れてきたまでだが?」


なっ、なんだそれ! 社長ってばどこまで傲慢なお方なのだろうか。

「失礼ですが私、もう業務時間外なのですが!!」

語尾に力を入れて言っても、社長は悪そびれた様子は一切見せない。

むしろ当然と言った目で、私を見下ろしてきた。

「だったら喜べ。企画部のお前にとっても、いい勉強になるだろ?」

鼻を鳴らして「ふっ」と笑う社長に、カチンときた。

「申し訳ありませんが私、今ついさっきまでこちらでヘルプとして働いてきましたので、勉強の方は充分してまいりました」

「なに?」

これにはさすがの社長も片眉を上げ、表情を変えた。
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