好きになるまで待ってなんていられない


「灯…」

あっ。ん、ん、…ん。ぁ…。

「ん、身体…熱くなってるぞ?」

もう…、まだ話してる途中でしょ?遠慮なくこんな風にキスも一杯するからでしょ?

「馬鹿ですか?」

…もう、本当に…馬鹿…。…馬鹿。ギュッと抱き着いた。

「おー。職場以外で初めて聞いた。成美だけだよな、俺に対するこの暴言?」

昔から…言わせるような関係だからでしょ?
普通の従業員は言いません。言ったらとっくにクビになってます。

「はぁ…、キリが無いです。…こんな風にされたら、…ずっと熱くなるに決まってます」

「週末だけ、ん…キリが無くてもいいんじゃないか?」

…どんどん狡さに流されている気がする。

「…社長。もし、…もしもですよ」

「ん、なんだ?」

「もし、今した事で、私に赤ちゃんが出来たら、どうしますか?」

だって、昔からそうだったけど、可能性は全くのゼロじゃない。私はそうなったら迷わない、産みたいと思っている。昔も今もだ。

「嘘は言っていません。安全な日は安全な日だし。そうじゃない日を安全日だとも言いません。
その上で出来てたら?」

社長の子供さんの事を踏まえての事だ。私の事は信じて貰えるだろうか。信じているから、安全日かと聞いて、してる?

「俺と灯の子なら、何の躊躇いもない。もし今日ので出来ていたとしても何も心配は要らない。
俺は父親に直ぐにでもなる。だからそうなったら黙って一人でどうにかしようとかするなよ、いいか」

「…有難うございます」

それだけでいい。

「俺がいい加減に抱いてるとでも思ったか?快楽の為とか、灯の身体だけとか。違うぞ?絶対、違うからな。普段のおちゃらけた態度と一緒にするなよ?…気持ちいいのは凄く気持ちいいけど」

…もう、話のバランスが…。それが余計な一言なんです。でも、…社長の事は解ってる。

「疑ったりしてません。私も私で、初めから一人でだって産んで育てるつもりの覚悟はありますから」

そうじゃなきゃ出来なかった…。


「ゼロじゃ無い不安があると嫌か?」

「え?」

「…直接の関係」

「…嫌ではありません。そんな事はありません」

逆に社長とは、直接じゃないのは、した事がないんだった。

「これからは、日によっては、直接で出来ない時もあるのか…」

「え?何を言って…」

「毎週、安全日なんて有り得無いからな。これを使う日もあるって事だ。あ、あれかぁ。さっきのは、遠回しに、いつでも直接でいいって、察しろって事か」

は?馬鹿ですか?何を言ってるのです?…週末婚なんて、承諾してもないんですけど?更にずっと関係を持つとも言ってない。どうして毎回毎回…。

「週末の飯は作りに来るという事で、まずは週末飯だな。金曜の夜からだからな」

…聞き入れてくれないこれを、どんな風に切り返して乗り切ろうかな。

「灯…ん、…もっとだ。まだ足りてない」

ぁ、…。……蒼、…。
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