好きになるまで待ってなんていられない
擦った揉んだの挙げ句、今日は土曜と日曜の晩御飯を作り置きするという事で何とか収めた。
なんだ…これだとまた俺は一人温めて食べなきゃいけない、なんてブツブツ言ってたけど、一人なんだから、何かしら食べてもチンするでしょと言い包めた。
勿論、納得はしていない様子だけど。
ハンバーグを数個作って焼いた。一つを残し、後は冷凍バッグに入れて冷凍室へしまった。
鯵の南蛮漬けも作った。これはホーローの容器に入れて冷蔵庫に入れた。筑前煮、イカと大根を煮たものも容器に入れた。
ふぅ…もう、…正直、身体は疲れて怠かった。
どれから食べてもいいですけど、直箸で食べないでちゃんと食べる分を取り出して食べるようにと懇々と言い聞かせた。
「ご飯は炊けるから大丈夫ですね?」
「……ああ」
…まただ。はぁ、困った人だ。こんなにはっきり解るようにしょげて。
寂しいのはよ〜く解る。
どんな事情であったとしても、最近まで五人で生活していたんだ。別居はしてなくてそうなんだと勝手に思ってる。それが、一気に一人になっては、半端なく静かで寂しくなっただろう。
でもそれは仕方ない事。
「成美…。一人が寂しいんじゃない。成美が帰るって言うから寂しいんだ」
はぁ…最上級の殺し文句です社長。
だけど、…今の私は駄目だ。
「私、一人で帰ります。ちゃんと…迷わずに帰りますから。送ってくれなくて大丈夫です」
送ったら送ったでまたどんな事を言い出すか解らない。バス停が近くにあった。バスで帰ろう。
「もう帰るのか?」
「はい。調理器具の後片付けも終わりましたし、しまうものもしまいましたから」
…。
「成美。何もしないって言ったら、飯、作りに来てくれるか?」
そんなのは、…。
「絶対、守る。しないって言ったらしない。本当だ。だから来てくれるか?」
「社長…」
「作って、一緒に食べて、直ぐ送る」
…。
「土日ですか?」
「いや、金、土、日だ」
……流石にこれでは、行ったり来たりが面倒だ、とか言い兼ねない。目に見えている。
はぁ。…そうだ。
「考えておきます」
「…成美〜…」
少々中年の小犬?がウルウルするけど、…見てはいけない。そもそも、別問題として馴れ合い過ぎている。
「帰ります。では、月曜に」